2018年4月9日月曜日

2018.04.09 高級品で自分に付加価値を付ける

● ノートでいえばモレスキン,筆記具でいうとモンブランやウォーターマン。そういう高価な文具を使う人って,なぜ高価なものを使うんだろう。
 という素朴な疑問があってね。

● なぜといったって,使えるだけのお金があるからだよ。そうか,たしかに。使いやすいからだよ,っていう人もいるだろう。
 作家先生にはモンブランのマイスターシュテュック149の愛用者が多いらしい。なぜ149なのかといえば,書きやすいから,疲れないから,という答えが返ってくるのだろう。

● しかし,こういう人もいるんじゃないかと密かに思っていることがある。高価なものを使うことによって,自分に付加価値を付けようとしているのじゃないか。
 急いで付け加えておくんだけど,それが悪いというつもりはまったくない。いいとか悪いとかっていう次元の話ではそもそもない。

● 自分には価値がないと思っている。自覚的にそう思っていなくても,無意識のどこかにそれがある。それゆえに,持ち物で自分に付加価値を付けようとする。
 149を買うのはなかなか大変だけれども,それでも車を買うのに比べれば,別にどってこともない。モレスキンに至っては2千円しかしない。高級ノートの代名詞になっていても,そんなものだ。それで自分に付加価値を付けられれば安いものではないか。

● モレスキンユーザーの多くはこれに該当するのじゃないかなぁと,無礼千万にも想像している。そういうことにしないと,品質と価格がまるで釣り合っていないあのモレスキンが,なぜこんなに売れているのかを説明できないのだ。
 繰り返すけれども,モレスキンで自分に付加価値を付けようとするのは,ひとつも悪いことではない。

● そういう人たちにとって,大事なことはモレスキンが高価であることだ。高価であればこそ,自分に付加価値を付ける道具にもなるのだ。
 これって,かつてはパソコンにもあった。Macintoshを使っている人の中には,Macintoshで自分に付加価値を付けたいと思っていた人が,けっこういたんじゃないかなぁ。

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